掛けふとんは暖かすぎず、寒すぎず、蒸れないものを。

  

 掛けふとんと敷き寝具挟まれた小さな空間の状態を寝床内気候と呼びます。その温度と湿度が眠りに影響を与えます。寝床内は四季を通して、温度33±1℃、湿度50±5%ぐらいが快適だとされます。寝床内気候とふとんは、どんな関係があるのでしょうか。

 

1.快眠の条件は、暖かすぎず、寒すぎず。

 寝床に入ると手や足が次第に温まってきます。入眠期には末梢部の血管が拡張、放熱が盛んになるからです。手足の温度が上昇すると、体は眠りの準備に入り、脳や体内の温度が下がり始めます。乳幼児が眠くなると、手が熱くなることはよく知られていますが、大人も同じことです。

 眠りに就いて、しばらくすると体(胴体部分)の皮膚温は3436℃付近に収束します。望ましいのは、寝床内の温度が体の皮膚温よりも少し低い状態。寝床内の温度が皮膚の表面温度より高いと、体の内部の温度が下がりにくくなります。逆に低過ぎると体温を上げるため筋肉に力を入れたり、震えが起こったりします。睡眠中の体内の温度は覚醒時よりも低くなっています。体温が下がると、気温の変化に対する適応力が低下しますので、寝床内の温度変化にも注意したいところです。

 安眠しやすいのは皮膚表面から熱が少しずつ放たれ、しかも寒さを感じない、つまり、暖か過ぎず、寒すぎない状態。ふとんには寝床内を33℃前後にキープする保温性が必要です。

 

2.蒸れを感じると、寝苦しくなる。

 一晩の睡眠中には通常、発汗などにより、およそコップ一杯分の水分が放出されます。水分放出は皮膚の表面温度が上がる睡眠の前半に多くみられます。寝床内の湿度が上がると、「蒸れ」によって寝苦しさが募り、安眠が妨げられてしまうため、寝具には湿度を調整する機能が求められます。

 寝床内の湿度は50%±5%ぐらいが快適とされ、ふとんの湿気を吸い込み(吸湿性)、吐き出す(放湿性)性能が寝心地に影響します。こうした寝具の性能はふとんの詰め物(中わた)と生地の素材によって決まります。

 

3.掛けふとんに最適な素材は

 ふとんの詰め物(中わた)は時代と共に変遷しましたが、掛けふとんに関して羽毛以上の詰め物は見当たりません。羽毛が支持されているのは、他の素材に比べて利点が多いからです。保温力があるので暖かい。そのうえ、体から出る湿気を吸収・発散する性能に優れ、蒸れにくくさわやかです。

 綿(コットン)やポリエステル等の通常の繊維は、わた状に加工するとつながってしまいますが、羽毛の場合はひとつひとつがバラバラでつながりません。だから、身体にフィットしやすく、寝返りしてもふとんの中に隙間風を招きにくい。フンワリと軽いので布団の上げ下ろしが楽。発散性がよいので長時間干さなくてもよく、耐久性があって長く使えます。軽くて、暖かく、蒸れにくい、フィット感が良いなど、掛けふとんに必要な機能が備わっています。

 そして、忘れてはならないのは生地。生地は詰め物の性能を損なわないことが条件です。肌触りが良く、吸水性に優れる綿100%のものをお勧めします。