人類進化ベッド®
人類進化ベッド®
「寝心地にこだわる」――これは私たちだけの話ではありません。
私たちにもっとも近縁なチンパンジーもかなりのこだわり屋。
チンパンジーは木の上に枝葉でベッドを作って眠ります。
そしてこのベッドには、寝心地を良くするためのたくさんの秘密が隠されているのです。
その絶妙な技をヒントに作られたのが「人類進化ベッド」。
やさしく包み込まれる心地よさを、みなさんも感じてみてください。
大学博物館の展示から生まれた “人類進化ベッド”
人類進化ベッドが初めて登場したのは2016年、京都。京都大学総合博物館で開催された「ねむり展 ー眠れるものの文化誌」です。
メインテーマは「人がいつ、どこで、どうやって眠ってきたのか?」。
睡眠を文化としてとらえ研究する7人の学者による「枕の民族地図」「夢の解読」といった展示・解説のほか、アフリカの少数民族が使う木製の枕から、ヨーロッパの伝統的な揺りかご、日本の鉄道会社に導入されている自動起床装置まで、眠りの多様性と進化に迫る古今東西の品々が展示されました。
そんなユニークな「ねむり展」で注目を集めたのが「人類進化ベッド」。人類の歴史を紐解く「古い眠りのカタチ」でもあり、また多様な眠りの文化を象徴する「新しい眠りのカタチ」でもあるこのベッドは、「現代の既成概念」にとらわれないベッドとして披露されたのでした。
京都大学総合博物館 平成28年度特別展
眠れるものの文化誌
人はいつ、どこで、どうやって眠ってきたのか?
会期/2016年4月6日(水)~6月26日(日)
場所/京都大学総合博物館
主催/京都大学総合博物館、京都大学アフリカ地域研究資料センター
共催/NPO法人睡眠文化研究会
協力/国立民族学博物館、国際日本文化研究センター、京都精華大学国際マンガ研究センター、株式会社イワタ、世界睡眠会議
最高の寝心地 “チンパンジーのベッド”
アフリカに棲む野生のチンパンジー。眠るときには木の上に枝葉を幾重にも折り重ねてベッドを作ります。ベッドは頑丈な土台とふかふかなマットレスの二重構造。形は楕円のお皿型です。
このベッドの研究者、座馬耕一郎さん(長野県看護大学准教授、京都大学アフリカ地域研究資料センター特任准教授)が「ちょっと寝てみよう」と横になったところ「人生で、最高の寝心地!」だったとか。木の上はちょっと怖そうですが、横になってみるとお皿型のくぼみが体を包み込み、木の揺れもまるで揺りかごのよう。やすらかな気持ちで眠ってしまったそうです。
この心地よい体験が人類進化ベッド開発のはじまりでした。
チンパンジーは“ベッド職人”
チンパンジーは毎日ベッドを作ります。チンパンジーの寿命は40〜50歳ほどなので、作るベッドは一生に1万個以上。そう、チンパンジーは“ベッド職人”なのです。
ベッド作りに要する時間はたったの2、3分。まずは、長い枝を折り曲げて丈夫な土台をくみ上げ、次に枝先についている小枝をちぎっては積み重ねていきます。たくさんの小さな枝葉は、まるでふかふかのマットレス。その上で横たわって眠るのです。
ときどき、ベッドに横たわったはずのチンパンジーがムクリと起き上がることがあります。そして小枝を1本摘んでベッドに置いて、また横になることも。たった1本の小枝にこだわりをみせる。それがチンパンジーの眠り方なのです。
かつては人類も木の上で寝ていた
現在、木の上にベッドを作っているのは、ヒトに近縁な類人猿たち。チンパンジーの祖先とヒトの祖先が分かれたのは、約800万~500万年前のことといわれています。そして二足歩行を始めていた人類の祖先も440万年前ごろまでは、木の上にベッドを作って眠っていたと考えられています。
それでは、今のような「四角」で「平ら」で「揺れない」ベッドで寝るようになったのはいつからなのでしょう? 人類の長い進化の歴史を考えると「つい最近のこと」のように思えてきます。
かつて人類が眠っていた木の上のベッド。そんな人類の進化のロマンに思いをはせながら、人類進化ベッドという「古くて新しい眠りのカタチ」が誕生したのです。
人類進化ベッド 6つの快適要素
チンパンジーがベッドで大の字に寝ると、足がベッドからはみ出てしまいます。そのサイズ感を再現したのが少し小さい楕円のカタチ。足を投げ出して寝てみると、かかとへの圧力が解放されるのを感じます。
また楕円形は、横たわる方向によって、頭の枕から足枕までの長さをさまざまに変えることができるカタチ。身長の高い人も低い人も、寝る方向を変えることで、自分にとって一番心地の良い場所を探してみてください。
木の上にあるチンパンジーのベッドは、寝返りを打ったときなどに心地良く揺れます。記録映像をもとに、樹上のベッドと同じような360度の揺れを再現しました。その揺れはまるで子どもの頃に感じた揺りかごのよう。
さらに、ベッドに腰かけるとそちらに傾くのも特徴。まるで「ベッドが迎えに来てくれる」ようです。おかげでベッドの乗り降りも楽に感じます。
チンパンジーのベッドは低反発でもなく、高反発でもない、絶妙な柔らかさ。その秘密はたくさんの葉のついた小枝たち。小枝の一本一本、葉の一枚一枚が小さな弾力を持ち、みんなで体を支えてくれるのです。
その寝心地を、フェザー100%のマットレスで再現。軽くカーブを描くフェザーの一本一本の小さな弾力が、体全体を優しく包みこみ支えてくれるのです。
チンパンジーのベッドはお皿型。縁が盛り上がっていて、全方位が“枕”です。それをヒントに「人類進化ベッド」も全方位が枕。頭の位置にくるのが“枕”で、足の位置にくるのが“足枕”、横の縁は“抱き枕”になります。
この“枕”のおかげで、仰向けになると温泉につかっているときのような、体幹の緊張がほどけるような寝姿勢をとることができます。もちろん横向きになっても、ベッドの縁が体をやさしく包み込んでくれます。
またこのベッドの縁に体をあずければ、体を斜め45°に傾けるなど、平らな布団やベッドではできない自由な寝姿勢も可能。新しい眠り心地を発見することができます。
木の上で安心して眠るには安定した土台が必要。チンパンジーは枝を折ったり曲げたりして、丈夫な土台を作りあげます。もちろん土台の形も“お皿型”。人類進化ベッドではこの形を、大胆にくりぬいた天板に麻のベルトを縦横に張り巡らせることによって再現しました。
このゆるやかなカーブを描くしっかりした土台は、力の抜けた体を下から抱きかかえるようにがっしりと受け止めてくれます。
人類進化ベッドは微調整が可能。麻のベルトを調節することで土台部分のカーブを変化させたり、マットレスを軽く叩いて中のフェザーを移動させたりすることで枕の高さを変えることができます。
自分好みの眠り方は、運動をした日やデスクワークの多い日など、その日の過ごし方によっても変わるもの。たった2、3分で快適な睡眠空間を作るチンパンジーを見習って、寝る前のひとときに、その日の自分にピッタリの寝心地を探してみませんか?
グッドデザイン賞 受賞!
優れたデザインを顕彰する「グッドデザイン賞」。公益財団法人日本デザイン振興会が毎年審査を行っています。
「人類進化ベッド」は「チンパンジーのベッドを参考にして、全く新しい寝方、あるいは寝心地への提案をしている(抜粋)」との評価を受け、2017年度グッドデザイン賞を受賞。同審査委員を務めたグラフィックデザイナーの原研哉氏の「私の選んだ一品」にも選定されました。
IDEA 受賞!
「人類進化ベッド」が「IDEA2018」(International Design Excellence Awards)のフィーチャード・ファイナリスト(Featured Finalist)に選ばれ、 「IDEA Gallery」に登録されました。 http://www.idsa.org/awards/idea/furniture-lighting/c-couch
「IDEA」は、アメリカ・インダストリアル・デザイナー協会(Industrial Designers Society of America)が主催する、世界的に最も権威のあるデザイン賞のひとつで、経済と生活の質に深く関わるデザインの価値をビジネス界はもとより、広く一般に伝えることを目的としています。 2018年のIDEAには世界各国より1870点を超える応募がありました。
京都デザイン賞 受賞!
京都には1200年の歴史が培った魅力的なデザインが多数存在しています。 それらは現代においても引用され、新たな作品や商品開発に繋がっています。
公益社団法人京都デザイン協会が主催する「京都デザイン賞」では、京都の伝統と文化を守りながら、 新たなデザイン手法を用いて、新しい京都のデザインの創出を図ります。 京都大学総合博物館で2016年春に開催された「ねむり展」の展示プロトタイプが、 2016年京都デザイン賞に選出されました。
3つの認定を受けました
京都府元気印中小企業
京都府ヘルスケア関連事業計画
知恵ビジネスプラン