自分に合った枕を見つけるには。
枕の重要性に気付き、自分にピッタリのものを求める人が増えています。ところが、この枕、ピッタリと合わせるのが意外に難しい。首のカーブを基準に選ぶ人も多いですが、それだけではうまく合いません。どうすれば自分に合った枕を手にいれられるのでしょう。
1.背骨全体のカーブで合わせる。
首のカーブを基準に選んでも合わないのは、枕は首だけでなく背骨全体のカーブに関係しているからです。ポイントは背骨全体のカーブを立っているときに比べて少しなだらかにすること。
人は2本の足で支えた骨盤の上に胴体と頭を乗せる二足歩行。頭や胸の重みで圧縮されていた頚椎と腰椎は、体を横たえることで圧力から解放されます。あおむけで寝ると、立っているときに比べて頚椎と腰椎のカーブがやや浅くなるのが通常。
枕の役割は敷き寝具と頭や首の隙間を埋めることにあります。そのとき、頚椎が起立時に比べてやや浅めのなだらかなカーブを描くようでなければなりません。
ここで注意したいのは敷き布団の沈み込み具合。柔らか過ぎる敷き寝具だと頭に比べて背中やお尻が落ち込んで、頭と体に高低差が生まれます。同じ枕でも体が沈んだ分だけ高さが出ます。枕を変えても満足できない場合は敷き寝具の沈み込みをチェックする必要があるかもしれません。
2.枕の形状、詰め物から考える。
近年はさまざまな形の枕が出回っています。首の辺りが少し盛り上がったもの、中央部が少しくぼんで左右が高くなったもの、曲線状、ジャバラ状、V字形のもの…。けれど、極端な形状のものは避けるのが無難。寝返りがしづらかったり、睡眠中に姿勢が変わると合わなくなったりするからです。
詰め物の種類も増えました。往年の主流はそば殻。それに加えてパイプ状のもの、ポリエステルビーズ、水鳥のフェザー、木材チップ、石、羊毛、ラクダ毛、低反発のウレタンなど。あまり硬いと頭や首が緊張して肩こりを招きやすい。適度なクッション性が必要です。
3.熱や湿気のこもらないものを選ぶ。
気をつけたいのは温度と湿度の影響。頭は放熱と発汗が多い部位。昔から「頭寒足熱」と言うように、枕に熱や湿気がこもると眠りが途中で分断されたり、深い眠りが得にくくなったりします。気温が低い冬には支障がなくても、夏に問題になります。手触りや触感だけで選ばず、素材の吸湿性、放湿性を確かめましょう。
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