快眠を導く生活習慣一覧 ~一日の過ごし方で快眠度が変わる~
睡眠は夜の眠っている時間だけ良くしようとしてもうまくいきません。一日の過ごし方で快眠度が変わります。生活リズムが規則的で、昼夜のメリハリがはっきりとしているなら、快眠の可能性が高くなります。反対に、生活リズムが不規則で昼夜のメリハリがあいまいだと快眠の可能性は低くなります。
1.規則正しい生活リズム
人間の体内時計は主に脳の奥、視床下部の視交叉上核にあると考えられています。この体内時計が刻む一日は24時間ピッタリではありません。人によって違いますが、それより少し長いことが多いのです。そのため、洞窟のような時間の手がかりが全くない実験室で生活を続けたところ、毎日起床時刻が少しずつ後ろへズレていったといいます。そうしたズレが生じないように、人間はさまざまな刺激によって体内時計を24時間に修正しています。
規則正しい生活をしていると、24時間に修正する手がかりがたくさん得られます。手がかりが多い分、睡眠と覚醒の周期が乱れにくくなり、快眠の可能性が高まるのです。
2.昼夜のメリハリ
昼夜のメリハリは体温リズムの振幅にも影響します。体内の温度は宵の口ごろに最も高く、明け方に最も低くなります。最高体温の付近では眠ろうとしてもなかなか眠れず、体温が最高点から下がり始めて数時間経ったころに眠りやすくなります。目が覚めるのは、通常、最低体温から2~3時間経過したころです。昼間に体温をしっかり上げておくと、就寝のころに体温がスムーズに低下して寝付きがよくなります。睡眠中は脳の「深い休息状態」が増え、途中で目が覚める回数も少なくなります。
睡眠の健康度は日々の生活習慣に左右されます。一日の過ごし方を見直して、睡眠を改善しましょう。ここでは、心地よく眠るためのポイントを解説します。生活習慣のすべてを一度に変えようとせず、できることから始めるのが新しい生活リズムを身につけるコツです。
体内時計のリセットの基本は毎日同じ時刻に起きること。休日もできるだけ平日と同じ時刻に起きるようにしましょう。
体内時計の1日は24時間より少し長いので、毎日24時間に調整し直す必要があります。そのための手がかりはたくさんありますが、最も強力なのが朝の光です。
昔から3度の食事を規則正しく食べることは健康管理の基本だとされてきました。食事の規則性は栄養摂取の観点からだけでなく、良質の睡眠を確保するうえでも大切です。
睡眠と覚醒は互いに影響し合う関係です。昼間にきちんと覚醒しておくことが、夜の睡眠に反映されます。よく動き、脳と体に適度なストレスを与えるのがポイントです。
人は生まれつき、正午過ぎの時間帯は眠くなるようになっています。日中に短時間の仮眠をとる方が理にかなっています。短い昼寝はストレス解消、夜の眠りにも効果的です。
普段から運動を続けている人は眠りの満足度が高い。寝付きがよく、睡眠途中で目が覚める回数が少ないことが知られています。夕方から宵の口は運動に最も適した時間帯です。
ちょっとひと休みのコーヒーブレーク。注意が必要なのはお茶やコーヒー等を飲むのが習慣になっている場合。知らないうちにカフェインを取り過ぎていることがあります。
夜遅くに食事をすると、眠りが浅くなります。朝起きがつらくなり、目が覚めても食欲が湧きません。朝食を抜いて、夕食の量を増やすという悪循環になりがちです。
日本人が大好きなお風呂。その入り方次第で寝付きがよくなったり、悪くなったりします。入浴には体と心をリラックスさせ、寝つきをスムーズにする働きがあります。
眠る前にゆったりとした時間を持つことは睡眠にとって重要です。リラックスの方法は自分が「1日が終わった」と感じられるものなら何でも構いません。